小森生活向上クラブ デラックス版 [DVD] (2009/08/21) 古田新太栗山千明 商品詳細を見る |
「毎朝挨拶してくれるだけで小さな幸せを分けてくれる人がいる。一方、小さくても害悪をふりまいている人間は、それだけですでに人を二、三人殺してるくらいの罪を犯しているに等しい。そんなやつらには死刑が当然だ」
という理屈を冒頭から頭に入れて見る作品なのだが、これがなかなか面白い。
古田新太が映画初主演というから驚いた。
舞台では何度も主演やってるらしいが、なるほど、映画やドラマでは主演やってなかったか。
シーンごとには主演を食うキャラと芝居をしていたのは俺が言うまでも無いことだが。
平凡な日常を送る・・・いや、ややくたびれた日常を送る古田新太演じる小森課長は、ある日、自意識過剰で痴漢冤罪をふりまいている女性を、ついホームに突き落とす。
そして、身の回りに、法では裁けない小さな害悪を撒き散らす人間が多いことに気づき、なんとなく拳銃を手に入れ、その小さな害悪を自分の手で始末し始めるのだが、職場の同じ課の問題社員の話を聞き、その問題社員がぼったくりバーに借金があることを知り、「じゃあ行こうか」と、そのぼったくりバーに出かけて、拳銃で処理してしまう。
次の日から、問題社員はマジメな社員になり、課長を尊敬するようになり、他の社員からも一目置かれるようになり、小森課長の生活も張りのあるものになっていくのだが・・・・。
話はそっから大きくなる。
次々に銃を持った小森課長を信奉する社員が増え、本格的に社会悪を始末するグループになってしまう。
元々、大義名分を持って、自分が悪だと感じる人間を始末することでストレス解消になっていたわけだが、信奉者が増え、徐々にそれがストレスになっていく様子がわかりやすい形で表現されている。
しかし、話が暗くなることはない。
それが、古田新太のキャラクターと芝居の上手いところだと思う。
栗山千明は、キルビル出演のせいで仕事が減ったと思われるが、歳とって色気が出てきたし、芝居も非常に安心して見ていられるし、古田新太に画面でぜんぜん負けてない。
小森課長の妻役の有森也実はもう、いい感じで熟女で、小森のストレスが無くなるにしたがって夜の生活にも張りが出てきて、最初の疲れた主婦から、徐々にキレイな奥さんに変わっていく様子も上手く表現できている。
細かいこと書いたが、とにかく全編、暗くならずにわかりやすい。
独裁者の心情を持ちそうになりつつ、ちゃんと一個の人間としての精神を保とうとするプロセスもわかりやすく表現されている。
シリアスとコメディ、映画的演出と舞台的演出が古田新太を起用することで、うまいこと融合していることに感心した。
というわけで、この作品は面白い。
しかし、お子様の居るご家族で見るのはちょっと・・・だめかな。
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